OpenSea仕様変更はNFT史における改悪か?改善か?

 これまでのコレクションを編集・追加できない

今月(2023年10月)、NFTマーケットプレイスのOpenSeaが大幅にリニューアルされました。それにより、これまで作成し続けてきたコレクションの更新がほぼできなくなり、新しい管理画面からのみ新作が生成できるような形になりました。

NFTのコントラクト(契約)形式が変わったため、これまでのコレクションは「旧コレクション」という扱いになり、新作の追加や、過去作品の編集ができなくなりました。

旧コレクションの名称変更など、パッケージ部分の変更は一部可能ですが、作品の追加ができない点が衝撃的です。実質、これまでのコレクションを完結せざるを得ない形となりました。

ユーザー視点からすると改悪という声も聞かれる仕様変更です。

実質、強制打ち切りのようなもの?

これまで運営してきたコレクションが、途中でストップしてしまい「いじれなくなった」という点では改悪かもしれません。できれば旧コレクションとも互換性が保たれたまま、新システムにアップグレードされたなら、ここまで問題視されなかったと思います。

例えるなら、同じストーリー・テーマで連載されていたシリーズが打ち切りになり、続きは別のエリアで再スタートするしかないといった感じです。途中まで絵を描いていた紙が使えなくなり「別の紙に続きを描いてください」といわれたような変な感覚です。

このように、新コレクションを作っても旧コレクションとは統合が出来ず、2つのコレクションが別々に存在する状態になる点も改悪といわれる理由のひとつだと思いました。

ガス代が毎回かかる

もうひとつの大きな変更点は、ガス代が前よりかかるようになった点です。以前は初回のNFT出品時のみガス代がかかる仕様でした。私の場合、2年前の初出品時は、ガス代が相場より高く、なかなか出品ボタンが押せなかった記憶が思い出されます。

イーサリアムを追加チャージしたり、価格が下がるタイミングを見計らってようやく第1作目をNFT化できました。その関門を突破できれば、それ以降は自由に無料で作品を出品できる仕様だったのです。

それが、今回の仕様変更では「作品の追加時」や「コレクションの作成時」においては、毎回ガス代がかかるようになりました。

≪参考記事≫ J CAST会社ウオッチ


 新作はOpenSea Studioから可能に

自由度の向上+コーディングも不要に

1ユーザー目線で色々述べてしまいましたが、大局的に見れば改善したともいえます。これまではOpenSeaがNFTの代理発行者だったのが、クリエイター自らNFTを発行できるようになった自由度の向上こそが最大の改善点といえます。

NFTアーティストであるならば、変革に対応して前に進む時が来たともいえます。

OpenSeaの画面上でNFTを継続するなら、これからはOpenSea Studioからのみ新作のリリースができる仕組みに変わりました。これまでは「共有コントラクト/ERC-1155」という形式だったのが「独自コントラクト/ERC-721」のみ対応になったことがその理由です。

簡単にいうと、これまではOpenSeaが作者の代わりにNFTの発行者となっていたのが、これからは作者自身が発行者になるシステムに変わったといったところです。

しかも、OpenSea Studioを使えば、特に難しい操作もなく「ERC-721」形式のコレクションを作成できます。 つまり、OpenSeaがサポートしてくれるので、基本的なコーディングも不要で新形式のNFTが作成できるのです。

以上の点から「独自コントラクト」でNFTを作成するハードルが大幅に下がった点は改善点といえます。

≪参考記事≫ Crypto Times


 旧コレクションはどうする?

旧作を削除し、同じものを作り直す

コレクションの維持をするための1つの方策として、新コレクションへの移行作業という手段があります。旧コレクションのNFTと同じ絵柄のデータを新コレクションで再リリースするという運営者もおられます。その場合、旧コレクションにあるNFTを削除(Burn)し、コレクションを丸ごと新形式に移行するのだそうです。

ですがその際、旧コレクションで販売済みのNFTをどうするのかというと、そちらも削除するのもひとつの主流になっているようです。

つまり、NFTを購入してくださったホルダー様に、NFTの削除を依頼し、新たに作り直した新形式のNFTを無料提供(Give away)することで移行完了となります。

旧作を残して後継コレクションをスタートする手も

私の場合ですが、上記で示した「コレクション移管作業」の在り方がいまいちしっくりこないという心境です。よって、すこしNFTの運営を休みながら考えることにしました。

旧コレクションを「現在進行形」のコレクションと位置付けている運営者にとっては、コレクションを丸ごと移行するのがベストなのかもしれません。

人によっては、旧コレクションはあくまで旧コレクションで完結し、ゼロから新形式で再スタートするというやり方もあります。

私の場合、喫緊の課題として、コレクションを丸ごと移行する必要性は低いので精査の時間を取ることにしました。すると、不思議なことに休もうとすると作品を高評価されたり、新作のリリースを期待する声がなぜか入ってくるのです。

よって、新作をリリースし続けることを優先し、急遽新コレクションを開始することにしました。旧コレクションは残したままです。

そして、新コレクションを運営していきながらどうするかを考えることにします。

KASHU

KASHU

横浜のイラストレーター。パズル誌のまちがい探し、県立公園のマスコット、ふわふわ生物LINEスタンプ、日本初の「役職NFT」等で活躍。コーヒー好き。

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