Spazio Comics (スパツィオ・コミックス)
2023年6月24日(土)~6月25日(日)の2日間、イタリアのローマ県で開催のコミケ「スパツィオ・コミックス」に出展しました。
展覧会そのものが久しぶりなのに、開催地がヨーロッパになるとは予想外でした。
開催地のコッレフェッロ市(Colleferro)は、ラツィオ州・ローマ県にある歴史が100年に満たない若い町です。
首都ローマ市からは車で30分ほどで行けて、イタリアの天才エンジニアが都市計画を進めた工業都市(企業城下町)なのだそう。
現地に滞在する、日本人の先輩イラストレーター/デザイナーの方がオーガナイザーとなりSpazio Comics Colleferroは今回初開催されました。
コミケだけどイラスト部門で参加
念のためですが、コミケは何もマンガの同人誌だけのイベントではありません。イラストレーションやフリマ系グッズ、音源、コスプレ大会などあらゆるチャンネルが存在します。
また、主催者様によると、イタリアや海外では「絵のタッチ」がコミック系であればコミックアーティスト(漫画家)という風に分類するそうです。
おそらく海外のマンガ制作現場は完全に分業制だからかと思いました。
部分的であっても漫画表現なら漫画家の仕事としてカテゴライズされるという感じでしょうか。
よって、日本の認識とは異なるかもしれませんが、広く解釈された日本の漫画作品ギャラリーとして、コミック寄りのイラストを専門に鑑賞できるコーナーが設けられたのです。
その結果、イタリアからのお誘いを受け、出展したというのが本イベントへの参加のいきさつとなります。
会場はレオナルド・ダ・ヴィンチ小中学校!
偉大なるレオナルド・ダ・ヴィンチの名が冠された学校
そして胸躍ったのが、会場名です。イベントは「レオナルド・ダ・ヴィンチ小中学校」という所で開催されましたが、すごすぎる学校名ですね!
まるで「芸術文化創造」のために創立されたような理念を喚起させます。
もちろん推測ですが、アートやコミックにも寛容なので、コミケの舞台として利用されたのかもしれません。
ちなみにアメリカでも偉人の名前、とりわけ、昔の大統領の名前を校名にする慣習があります。かくいう自分も、ロサンゼルスにある「リンカン小学校」という所に幼少期に通っていたことがあります。
そこがエイブラハム・リンカンとゆかりがあるのかはよくわかりません。ですが、日本の感覚からすると、いずれもワクワクさせられるネーミングです。
出展は日本からのデータ入稿!
日本からのPC作業のみでイタリア出展が完了していました。
個展やグループ展、コミケやフリマなど、展覧会関係では「搬入搬出」&「設営」というプロセスが通常は必要です。
簡単にいうと「絵を会場に送るのか、直接持っていくのか」の2択が存在します。
どちらでも選べる場合もあるし、会場側がいずれか限定とする場合もあります。
さらに、コミケやフリマなら会場を自分で設営するし、画廊なら壁に絵を飾り付けるなどの作業があります。
今回のイベントは、それらの工程を取っ払い、作品のデータだけをイタリアに送り、あとは現地で印刷してもらえるというものすごく親切なサービス付きだったのです。
つまり、日本にいながら、PC上で出展作業が済んでしまったのです。
作品展の「搬入作業」は意外な関門
本当に夢を見ているような光景です。
実は、この搬入搬出や設営というプロセスは、意外と難しい面があったりします。
例えば、わざわざ会場に直搬入したのに「他の人の設営を手伝わなかった」という理由でもめるケースがあります。
また、出展料とは別に委託料金を画廊に支払ったのに、作品が会場に陳列されていなかったという例もありました。
もちろん、しょっちゅうトラブルが起きるわけではありませんが「搬入搬出」含めて楽しい一方、時にはそういう場面があるのも事実なのです。
だからこそ、データ入稿というスタイルは珍しく、画期的でした。
出展者の負担の軽減とトラブルの未然防止という2つものメリットがあり、非常に参加しやすかったです。
その代わり、主催者様にデータチェックから印刷、設営まで全ておまかせなので、大変だったかと思います。本当にありがたいです。
コミックではなく「コミックス」マーケット
イタリアの聖闘士星矢も降臨…光栄です!
少しマニアックな話になりますが、主催者様のメールでは本イベントが「コミックス・マーケット」と表現されていました。
日本のコミケは「コミック・マーケット」の略ですよね?
つまり、Comicという単語が日本では「単数形」で海外では「複数形」が使われているようなのです。
たしかに英語ではマンガのことをComicsと複数形にするのが一般的です。もしくはComic bookなら「マンガ本」という意味になります。
逆にComic単独だと「喜劇的」という意味の形容詞になるため、複数形にすれば自動的に名詞になるからなのではないかと思いました。
まとめ
今回、本当にイタリアのコミックス・マーケットに参加してよかったです。
もともと日本で数多くの展覧会に参加してきたので、海外での展覧会には、かねてより興味を抱いていました。
それがこんなに手軽に達成できるなんて本当に驚きと感動でビックリしています。
もちろん、主催者様方のご尽力の賜物であることはいうまでもありません。
この場を借りて重ね重ね感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
誠に有り難き幸せでございます。
また、漠然とイタリアが好きな文化の国だったので尚嬉しいです。これからは海外での出展も増やし、自らも渡航もできるという夢が広がるように感じられ、たいへん楽しみです。